介護現場は、物価高騰によるコスト増加と、慢性的な人材不足が同時に進行しています。
この状況を受け、国は
①補正予算による緊急的な支援 と、
②令和8年度を見据えた臨時介護報酬改定(案) の両面から、介護事業者への支援を打ち出しています。
1.補正予算による支援(短期的対応)
今回の補正予算では、介護分野に対し大きく3つの支援策が用意されています。
(1)介護職員の賃上げ・職場環境改善支援
介護職員の処遇改善を目的に、一定期間の「賃上げ相当額」を支援する制度です。
単なる賃上げだけでなく、協働化やICT活用など生産性向上の取組を行うことで、評価・上乗せが想定されています。
(2)介護サービス継続支援(物価高対応)
物価高騰の影響を受けながらも介護サービスを継続するため、
訪問系サービスの移動費、衛生用品、備蓄品等の経費を対象とした支援が行われます。
(3)介護施設等の食事提供支援
入所者の栄養状態や心身の状況を踏まえた食事提供を継続するため、
食材料費の購入費を中心に支援する制度です。
2.臨時介護報酬改定(案)における処遇改善の方向性(中期的視点)
厚生労働省では、令和8年度に向けた介護報酬改定の議論の中で、
介護職員等処遇改善加算の対象範囲拡大を含む見直し案を示しています。
具体的には、これまで処遇改善の枠組みの対象外または限定的であった
居宅介護支援、訪問看護、訪問リハビリテーション等についても、
処遇改善の趣旨を反映させる方向性が示されています。
※なお、これは現時点では 「審議報告(案)」段階の内容であり、最終的には告示等により確定します。
参考資料(根拠)
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厚生労働省「介護分野における生産性向上の取組等について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/kaigo-seisansei-information.html -
厚生労働省「令和7年度補正予算案(介護分野関係)」
https://www.mhlw.go.jp/content/001614949.pdf -
厚生労働省「令和8年度介護報酬改定に関する審議報告(案)」
https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001616634.pdf