令和6年度介護報酬改定で新設された 「生産性向上推進体制加算」 は、介護現場の 業務効率化(生産性向上)とケアの質確保、職員負担軽減 を、テクノロジー活用と業務改善の仕組みづくりで評価する加算です。現場目線で言うと、この加算は「機器を買う」ではなく、運用を変えて、成果が出る状態を作ることが本質です。✅
1. 加算の区分と単位数(結論)
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加算(Ⅰ):100単位/月(上位区分)
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加算(Ⅱ):10単位/月(基礎区分)
※(Ⅰ)と(Ⅱ)は同時算定不可。
また、原則として (Ⅱ)で取組を進めて(Ⅰ)へ移行が想定されています(ただし、以前から取組が進んでいれば最初から(Ⅰ)も可)。
2. (Ⅰ)と(Ⅱ)の違いは「成果の確認」と「複数導入」
ざっくり一言で整理すると、こうです
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(Ⅱ):体制整備+テクノロジー導入+継続的取組(※成果確認までは要件にしない)
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(Ⅰ):(Ⅱ)の全部+成果の確認+テクノロジー複数導入+役割分担の工夫(介護助手活用等)
3. 算定要件(実務で押さえるポイントだけ)
加算(Ⅱ)の要点(まずここ)
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委員会の設置・運用と、生産性向上の取組を継続する
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見守り機器等のテクノロジーを1つ以上導入
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1年以内ごとに1回、効果を示すデータ提出(オンライン提出)
加算(Ⅰ)の追加要件(上位)
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(Ⅱ)要件に加え、成果の確認が必要
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テクノロジーを複数導入
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適切な役割分担(介護助手の活用等) の取組
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データ提出(年1回)
4. “監査に耐える”運用の作り方(最短ルート)
ここからが実務の核心です。形だけだと弱いので、次の順で型を作るのが安全です
Step1:業務の棚卸し(ムダの特定)
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二重記録、転記、夜間巡視、コール対応、情報伝達の滞留
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「誰が・いつ・何に・何分使っているか」を一度見える化
Step2:委員会を“回す”(議事録が証拠)
委員会は設置しただけだと弱い。議事録で PDCAが見える形にします。
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課題 → 対策 → 実施 → 効果測定 → 次回改善
この「一連」が残っているかが勝負です。
Step3:テクノロジーは「目的→機器」順で選ぶ
例)
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夜間巡視負担 → 見守り
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申し送りの渋滞 → インカム
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記録時間の圧迫 → 記録ICT(音声入力等含む)
導入後に 運用手順を変えるところまでがセットです。
Step4:成果の作り方((Ⅰ)を狙うなら必須)
(Ⅰ)は「成果の確認」が要件。
厚労省資料では、導入前後比較や、利用者満足度等の評価(例:WHO-5等)を含む調査票・考え方が示されています。
→ つまり、比較できる指標を最初から設計しておくのがコツです。
5. よくある落とし穴(ここは容赦なく言います)
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機器導入で満足:運用を変えないと成果が出ず、(Ⅰ)に上がれません。
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委員会が形骸化:議事録が薄いと、説明責任が持てません。
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データ提出の失念:年1回のオンライン提出が要件です。
6. まとめ:おすすめの戦略
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まず(Ⅱ)で型を作る(委員会運用+機器導入+提出の習慣化)
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3か月以上の継続運用 → 前後比較で成果確認ができたら(Ⅰ)へ
1.生産性向上推進体制加算について
(1)生産性向上推進体制加算に係る届出書等について
生産性向上推進体制加算に係る届出書等については、以下の通知をご参照ください。
・介護給付費算定に係る体制等に関する届出等における留意点について[7.1MB]
(令和6年3月15日老発0315第1号厚生労働省老健局長通知)
・令和6年度介護報酬改定に関するQ&A(vol.5)(令和6年4月30日)[234KB]
・生産性向上推進体制加算を算定する事業所における生産性向上の取組に関する実績データの厚生労働省への報告について[117KB]
(令和6年9月 27 日老高発 0927 第 2 号厚生労働省老健局高齢者支援課長)
電子申請・届出システム(生産性向上推進体制加算実績報告システム)のURLはこちら
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/shinsei/report/
(2)参考資料
・生産性向上推進体制加算関連資料[1.3MB]
・利用者の安全並びに介護サービスの質の確保及び職員の負担軽減に資する方策を検討するための委員会のポイント・事例集[18.4MB]
・生産性向上推進体制加算について(説明資料)[1.9MB]