第252回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料
令和7年12月26日(金)
14:00~16:00
於:Web会議、厚生労働省 専用第21会議室
第252回社会保障審議会介護給付費分科会(web会議)資料
資料
令和7年12月26日に開催された第252回社会保障審議会介護給付費分科会(Web会議)では、令和8年度介護報酬改定に関する「大臣折衝事項」が正式に報告されました。
今回の改定は、介護人材の賃上げを主軸としつつ、食費(基準費用額)の見直しという、現場と利用者双方に影響する内容を含んでいます。
1.令和8年度介護報酬改定率は+2.03%
今回の改定率は+2.03%。内訳は以下のとおりです。
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介護職員等の処遇改善:+1.95%(令和8年6月施行)
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食費の基準費用額引上げ:+0.09%(令和8年8月施行)
注目すべきは、改定の大部分が「人件費対策」に振り切られている点です。
これは、国が人材確保・離職防止を最優先課題として位置付けていることを明確に示しています。
2.処遇改善加算の大転換:対象拡大と上乗せ評価
今回の改定で、処遇改善加算は構造的な見直しが行われます。
(1)対象が「介護職員のみ」から「介護従事者」へ拡大
これまで対象外だった以下のサービスも、新たに処遇改善加算の対象となります。
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訪問看護
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訪問リハビリテーション
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居宅介護支援 など
「現場を支えるが加算の外に置かれてきた職種」への是正措置といえます。
(2)月額賃上げの水準
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基本:月1.0万円相当(約3.3%)
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生産性向上・協働化に取り組む事業者:+0.7万円相当(約2.4%)
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定期昇給分を含め、最大 月1.9万円(6.3%)相当
今後は「処遇改善=一律」ではなく、
生産性・ICT・協働化への取り組みが報酬差に直結する構造。
3.食費の基準費用額は1日100円引上げ(令和8年8月)
介護施設等における食費の基準費用額は、近年の食材費・光熱費高騰を背景に、
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1日あたり100円引上げ
とされました。
令和9年度改定を待たず、前倒しで実施される点が特徴です。
4.低所得者への配慮:負担限度額は段階的に調整
基準費用額の引上げに伴い、負担限度額も見直されます。
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第1・第2段階:据え置き(負担増なし)
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第3段階①:+30円/日
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第3段階②:+60円/日
さらに、令和8年8月以降~令和9年度にかけて、
第3段階を細分化し、所得に応じた負担の精緻化が予定されています。
制度全体としては、
「低所得者を守りつつ、一定以上の所得層には応分の負担を求める」
という方向性が一層明確になりました。
5.実務への影響と、事業者が今すぐ考えるべきこと
今回の分科会資料から読み取れる、事業者向けの実務ポイントは明確です。
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処遇改善加算は「取るか取らないか」ではなく「どこまで取れるか」
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生産性向上(ICT、業務改善、協働化)が報酬水準に直結
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食費・居住費については、利用者説明と同意の整理が不可欠
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賃金規程・処遇改善計画・配分ルールの再点検が必須
特に、令和8年6月・8月と施行時期が分かれている点は、給与設計・請求実務・利用者対応の段取りを誤ると混乱を招きます。